Hajime Hisakawa -久川 創-
Profile
- 2004年 大阪芸術大学陶芸コース卒業
- 2004年 信楽焼 (株)丸九製陶所入社
- 2008年 高知へ
- 2010年 内原野焼 (株)陽和工房入社
- 2017年 南国市にて独立
陶芸を始めたきっかけ
高校3年生の夏。進路相談室で職業一覧の本を読んでいた時のことです。「陶芸家」のページで、ある一文に目が留まりました。職業を説明する文書の中のにあった「40代でもまだ若手」という言葉。 人とは違う何かをしたいと思っていた自分の心の中に、その言葉がすっと入ってきました。
就きたい仕事もやりたいこともないまま大学を選ぼうとしていた自分に道が開けたような気がしました。
大学で四年間勉強したものの、陶芸の技術はそれだけで身につくものではありませんでした。もっと勉強するために、卒業後に信楽焼の窯元に就職しましたが、さらに技術を磨きたくなり職場の先輩にロクロの先生を紹介してもらい、毎日の仕事が終わってから、先生のもとに通いました。
土練りやロクロ成型を基礎から教わるなかで学生時代には見つけられなかった焼き物の魅力に夢中になり、ロクロの練習や釉薬の勉強に夢中になりました。
陶芸にかける想い
焼き物を勉強する中で、焼き物に使えない土石(鉱物)はない、ということを知りました。それを知ったとき、いつか高知へ帰って高知で採れる原料で焼き物を焼きたい、という気持ちが芽生えました。
高知へ帰ってきたものの、山や川で採れる粘土は可塑性や耐火性に乏しいうえに安定的な確保が難しく、胎土(形を作る粘土)に不向きなものがほとんどでなかなか実現しません。
そこで、釉薬の原料として使うことを考えました。釉薬原料になる土石や草木灰は手に入ります。天然鉱物を含む土石や、木や草を燃やして得られる灰は個性的で、それぞれ発色が異なります。いろいろな土石や草木灰を試して高知の素材ならではうつわを焼くためにテストを繰り返して色や質感を探っています。
地域に対する想い
歴史のある地域なので紀貫之の館跡や土佐藩家老の墓所などの史跡が残っており、その清掃活動を通じて地元の歴史を学んでいます。
火を扱う仕事なので消防団活動にも参加しています。
地元で調達できる材料を使った作品作りをしたいと思っています。